気持ちが伝わる遺言書

青空、寺、木、鳥

遺言について、どんなイメージをお持ちでしょうか。

自分の死、遺産の取り合い、死後の揉め事・・・。

お子さんや配偶者の方に「遺言ちゃんとしておいてくれると助かるな」と言われると、「死ぬことを望まれているんじゃないだろうか」なんて発想してしまうかもしれません。

元気なうちから遺言のことを考えるなんて、と。

そういう考えは、まったくおかしなことではないと思います。

私は、こんなふうに考えています。

遺言は、生命保険と似ているんじゃないか、と。

生命保険に加入するときは、「自分(被保険者)にもしものことがあったとき、自分の大切な人が困らないように」と考えることが多いと思います。

遺言書を書くときも、似ていると思うのです。「自分(遺言者)にもしものことがあったとき、家族が困らないように」。

生命保険も遺言書も、自分の大切な人への最後のメッセージです。

生命保険は、現在日本で約9割の世帯が加入しているといいます。ほとんどの世帯で、「自分のもしものとき」を考えているといえます。

であれば、遺言も忌避することはないのではないか?と考えるのです。

そして、遺言は「ことば」ですから、メッセージを明確に伝えたい人に伝えることができます。

カッチカチごりごりのお堅い文章という遺言書の印象があるかもしれませんが、公正証書遺言には、「付言事項」を記載することができます。

この付言事項では、「~です。」「~ます。」「~ください。」といった、普通の手紙のようなことばを使うことができるのです。

法的な効力のある本文では、紛れを生むような書き方はできませんから、「〇〇を長男△に相続させる。」などという、はっきりきっぱりとした記載になりますが、付言事項には、そういった相続にした理由を、自分のことばで記載し、相続人の方々に語り掛けることができます。

それがあれば、相続人の方々は、心の置き所を見つけることができるでしょう。

付言事項は、法的な効力を発生させるものではありません。

しかし、相続人の心には大きく訴えかけるものだと思います。

私も、自分の大切な人が、生前、私のことを考えながらそういうものを作っておいてくれたらとても嬉しいし、反対に、「あなたがいなくなった後に、生前のメッセージが聞けたら嬉しい。」と思ってもらえる人生を送っていきたいと考えています。

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